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ハイパー・インフレによる物流の停止、アメリカの旱魃、ロシア事情

前回の書き込みでハイパー・インフレは為替と密接な関係があると書きました。
そこで気になるのが貿易です。
食糧やエネルギーを輸入に依存している日本にとって物流の停止は一大事です。
このブログにも時々コメントして下さっているリョウさんがたまたま国際物流の仕事をしていたので聞いてみました。

Q. 為替が大変動したら物流はどうなるんでしょう?

A. 貿易に関してですが、基本的に輸出入はドル決済が多いので輸入は決済できない状況が増えるかと思います。特に現在、日本は中国からの輸入に頼ってる状態です。中国とは人民元及び日本円での決済はできません。韓国もそうですが、一度ドルに換算し決済します。ハイパーインフレになれば海外も日本に商品を売る事を懸念するかと思います。船会社はCAF (Currency Adjustment Factor = 通貨変動割増料率通貨変動による船会社の為替差損益(為替相場の変動によって発生する損益)を補填するための割増(引)料金のこと。YASと同様に、海上運賃が米ドル建てで計算されている為、近年の円高・ドル安傾向に対する船会社の防衛措置として導入されている)にて、価格調整するでしょうが。。。

現在、仙台港では輸入品を入れたい会社は多くても輸出できる会社が無い為に、輸入した空のコンテナが無駄に溜まってしまうので船会社は寄港する事を嫌っています。よって、東京港からコンテナを運んでいるのが現状です。ハイパーインフレが起こるとこのように輸出入のバランスが大幅に狂います。よって海上運賃は大幅に値上げされるかと思います。これにより日本の企業は海外進出せざるを得ず日本の産業の空洞化が益々進むのではないかと思います。

ちなみに国内物流に関してですが手形決済している会社が多いので倒産する会社が多く出るかと思います。現状でも倒産している物流会社が多いのでかなりヤバイ状態になるのでは無いかと思います。

これが私の個人的な考えです。

やはり予想通り、為替の変動は物流の停止につながるようです。
ちなみに外国が仙台港を嫌っているのは船が放射能汚染されるからだそうです。
食料を輸入に頼っている日本は貿易が停止すれば食糧不足になります。
さらに国内物流も停滞するとどうなるか?
国内で生産した食料すら生産地で腐って廃棄されますね。
もともと足りない食料がさらに足りなくなる。
悪いニュースはまだあります。
アメリカの旱魃(かんばつ)です。
ROCKWAY EXPRESSさんがニュース記事を翻訳してくださっています。

記録的な暑さと旱魃で全米で不作の危機 ROCKWAY EXPRESS
http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/763/

http://endoftheamericandream.com/archives/what-happens-if-record-heat-an...
【7月4日 Michael Snyder-The American Dream】

 トウモロコシの供給は1996年以来最速で減少している。中西部の熱波が世界最大の収穫に3年連続でダメージを与えている。
 ブルームバーグは備蓄量は6月1日で恐らく31億6800万ブッシェル(8047万メートルトン)で3月1日から47%減少している、という。
 これは何を意味するか、と言えば、食料品価格が高騰するということだ。先月、トウモロコシ価格は27%上昇した。
 小麦の価格も同じく高騰している。「9月小麦粉」の価格は6月初頭以来26%上昇した。
 事態が改善される見込みはあるのだろうか?
  残念ながら、事態はこの時点ではかなり酷い。ワシントン・ポスト紙によれば、これからの発育期の展望は大変不吉なものだという・・・

 「旱魃の状況からして、さらに状況が悪化する可能性が高い。それに旱魃が酷くなる可能性が非常に高い」と、気象学者のマシュー・ローゼンクランスは語った。「天候を見ていると、その地域に降雨がある可能性は低い」

 カンサス州のアームストロング農場のオーナーでオペレーターのジェイ・アームストロングは、ダメージを受けた地区を自家用機で訪れたが、通常のレベルに比べてダメージの状況はずっと酷い、という印象を受けた。

 「一年でこの時期は、インディアナ州とかイリノイ州のようなところでは一面の緑野が広がっているのを見れる」とアームストロングは語った。「裸の地面を見たよ。思ったことは、市場はこれから起きることを知らない、ということだ」と語った。 
 この言葉は恐ろしい響きを持っている。
 誰も「大規模な不作」とか、「市場はこれから起きることを知らない」と言うようなことは聞きたくないはずだ。
 牧場経営者はこの暑さと乾燥した気候のために完璧にやられている。以下は私の記事に寄せられたコメントである。

  「6月27日、ワイオミングのトリントンのオークションで2248頭が一日で売られました。通常は数百頭くらいです。何が起きたのかと言うと、牧畜業者は 価格が高い内に売ろうとしているのです。それに彼らは秋口には干し草の価格が高くなることを知っています。ワイオミングの牧畜業者がここに来て干し草を求 めているのを見ていますよ。つまり、こういうことです:昨夜、父と一緒に草刈地に行った時、父は昨年の量の3分の1でも干し草を収穫できれば御の字だと 言ったのです。二つ目に、私は飼料とミネラル供給ビジネスで仕事をしていますが、穀物飼料価格は天井知らずです。ある者はミネラル・乳汁分泌サプリメント の仕事をします。フッター派の居住区にある日行ったところ、彼らは羊の餌用に25トンの醸造かすを買っていました。我々より南のところでは乾燥していま す。我々のところもそうなりつつあります。人々はトウモロコシを見つけようと必死です。私たちの穀物倉庫にあるのが最後のものです。ミネラルとサプリメントについてですが、牛たちは栄養の少ない草をはんでいます。それに育てる子牛がいます。水分がすくないからミルクを作れないので、牧畜業者は母牛がミルク を出せるようミネラルとサプリメントを買わねばならないのです。売り上げは記録的です。つまり、今年は我々は深刻な問題に直面しているということです。そ して私たちのような小規模な生産者はどうやってこの問題を乗り越えられるのか、ということです」

日本の飼料穀物はアメリカからの輸入に頼っていますので、牛乳や肉が高騰するでしょう。
さて、ハイパーインフレ下のロシアについて、さらに調べてみました。
まず以下のリンクは参考になると思います。

<ロシア・アルゼンチン・トルコの経済破綻検証>
http://www.saturn.sannet.ne.jp/fukazawa-k/demae-20070609.pdf

ロシアのハイパー・インフレ初期、1992年のモスクワの様子を記録した本があったので読みました。
抜粋して掲載します。

「ミステリー・モスクワ ガーリャの日記 1992」

P16
歩道に並ぶキオスクには、1920年代のネツプ時代よろしく、銀狐のコートからチューインガムまで、雑多な品が並べられている。売り手自らが作った製品は極めて少ない。国営企業で作られたもの、あるいは国外から持ち込まれたものを転売するケースが圧倒的に多い。
食べ物の売り子をみるたびにぞっとする。だらしのない身なりで、真っ黒な爪をしている。無精髭をはやした中年男が、怪しげなジャムの入ったピロシキを男の子に手渡したのを見て、心配になった。該当での自由販売が許可されてからというもの、モスクワでは胃腸の病気や食中毒の発生件数が急増した。国営商店でさえ、食料品の鮮度は往々にして低いし、街頭の売り子が豚肉と言って犬の肉を売りつけることだって十分にありうる。
医薬品は不足している。アナリギン、アスピリンなどの解熱・鎮痛剤、洗浄液、脱脂綿などの基本的なものさえ品薄だ。

P21
昨年五月に日本に行った際、作家の遠藤周作氏に、「モスクワでは人々が飢えに苦しんでいるとの話は本当か?」と尋ねられた。その時、私は確か、「まともな暮らしとは呼べませんが、餓死する人間はいまのところいません」と答えたと思う。あれからまだ一年と経っていないが、自信をもって同じ答えをできるかは疑問だ。栄養失調にかかっている学童も珍しくはなく、空腹のあまり授業中に失神する生徒もいる。
とりわけ気の毒なのが年金生活者だ。国民の大部分が貧困層に属しているわけだが、なかでも年金生活者の場合は、勝手に死んでくださいと言われているようなものだ。何のために、そして誰のために、彼らは働いてきたのか? 歳老いて、ゴミのように社会から捨てられるためにだろうか? テレビでは、羽振りのいいソ連版百万長考が、モデルたちに囲まれてご満悦の様子が頻繁に映し出される。生産に精を出す百万長者には、私は何の異存もない。だがソ連の百万長者は何の製品も生み出してはいない。本来自分のものではなく、国家のものである原材料の横流し・価格操作、仲介業で、連中は膨大な利益をあげている。だからこそ、商店の品物は増えないし、生産は減少する一万なのだ。

P42
腐りかかり汚染された食肉、兎ですよと偽って押しつけられる野良犬や野良猫の肉。ウオッ力の開封していない瓶にさえ、水や工業用アルコール、ひどいときには酸を流し込む輩が後を絶たない。当然、死者も出る。市の衛生局はすっかり買収されているために、お咎めはいっさい無し。その結果、胃腸病の発生率はニ・四倍になり、ポツリヌス菌中毒も頻発している。もっとも、国営商店だって信用できたものではない、ソーセージからどぶネズミの毛が、時には足が出てくることだってあるのだから。これからは日に日に暖かくなる。食中毒も増えるだろう。薬局には薬がない……。

P54
わずかな外貨収入とも無縁な人間はたちまち貧民と化す。自殺者の数が増えている。一家心中も起きている。絶望した親はまず子供たちを殺してから自らの命を絶つのだ。
先日、モスクワの地下鉄構内で悲惨な事故があった。二十五歳前後の青年が、レールに落としたソーセージを拾おうとして列車に礫かれたのだった。丸一日行列に並び、月給の三分の一を費やして手に入れた「獲物」がするりと手からぬけてしまったときの、青年のあせりはよく分かる。青年は、礫死体となった。

P85
農村の暮らしはかなり良くなってきた。集団農場の仕事だけに甘んじることなく、自分で家畜を飼ったり、自留地での畑仕事に精を出せばの話だが、そういう農家は食料をほぽ完全に自給している。肉や野菜は冬の保存食にまわせるほどだし、乳製品や卵は新鮮なものが一年中食卓にのる。食べきれない分は売ればかなりの現金収入になる。もし国会が土地の私的所有を認める法案を否決していなければ、ロシアの食料問題は短期間で解決できただろぅ。少なくとも、状況がはるかに好転していたことは確かだ。
都市の人間が限られた食料品を確保しようと商店に突撃をかけている間に、ロシアの田舎が変貌をとげつつあったとは。人々は勤労することを一から学びはじめたのだ!

P104
草刈シーズンであるにもかかわらず、家畜にやる草がない。今年は乳牛の四分の一が屠殺されるとのことだから、搾乳用家畜の数が激減する。今シーズンはまぐさと飼料が必要量の半分しか確保できないそうなので、餌代に大金を費やすよりは家畜をさっさと処分してしまったほうが得なのだ。その上、この一日からは食料品納入が前払い制になったので、自営農家も集団農場もたちまち赤字を出した。食料品店が引き取る量を減らしたので、牛乳を街道で青空販売する羽目になった。それでも相当量が傷んで廃棄される。諸外国から人道的支援として牛乳とバターを受け取っていながらの、このありさま!

共産主義が崩壊したロシアの状況がそのまま日本に当てはまるとは思いませんが、参考にはなると思います。

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